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急に気温が下がり、街の緑も薄くなってきたように思います。
秋ですね。
お変わりありませんか。
フォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)です。
『フォスター・フォーラムだより』第6号をお届けします。
先週9月19日の日本経済新聞の夕刊1面に、「投信、現役世代に〜商品続々〜低コスト・長期運用」という記事が掲載されていました。
http://www.nikkei.com/article/DGKDASGD1406D_Y2A910C1MM0000/
国際投信や日興アセットが、販売手数料なし、運用手数料(信託報酬)を年率1%強におさえた商品を投入するとのこと。
すでに、独立系の投信会社が、低コストの投信を直販で提供していますが、販売金融機関を親会社に持つ投信会社においても、こうした動きが出てきたことは、喜ばしいことですね。
一時的なブームに終わらないことを願っています。
9月上旬に、米国の大手投信会社バンガード社を訪問してきました。編集後記で、見聞きしたこと、私なりに感じたことの一部を紹介しています。
(2日間、合計13時間もお話を伺いましたので、とても紹介し尽くせません。)
ちなみに、バンガード社は、低コストで商品を提供することが投資家の利益につながるとして、1975年の会社設立以来、徹底したコスト削減に努めています。
直販、支店を持たない販売方法、分かりやすいシンプルな商品の提供、流行に左右されない商品開発等です。
その結果、同社のファンドの対純資産総費用比率(トータル・エクスペンス・レシオ)は、1975年末は年率0.89%でしたが、2011年末では、平均すると年率0.2%(うち、アクティブ運用ファンドは0.28%)にまで下げることに成功したとのこと。
参考までに、米国の業界平均は、1975年末は年率1.08%で、2011年末は年率1.12%でした。
バンガード社は、設立されて40年足らずの会社ですが、運用資産2兆ドル(約160兆円)と、日本の投資信託の純資産総額の2倍以上の運用資産を擁する会社に成長しています。
バンガード社のクルー(社員のこと)の一人が「投資家の利益のために受託責任を果たしてきた結果だ」と胸を張って答えてくれたのが印象的でした。
日本と米国の投信を単純に比較できないことは承知していますが、投信会社が経営コストの削減に努め、投資家に還元するということが、投資家に見える形でもっと行われるといいですね。
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『フォスター・フォーラムだより』 No.6 2012年9月24日
発行:不定期
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★—★ CONTENTS ★—★
1. 運用報告書の利用価値を高めるための提言
2. 金融審・投信法WGの後半戦が始まる
3. 編集後記〜米大手投信会社バンガード社を訪ねて
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1. 運用報告書の利用価値を高めるための提言
投信会社が労力とコストをかけて作る運用報告書が、もっと投資家に読まれて利用されるようになってほしいと考え、7・20緊急フォーラムの参加者からいただいた意見や提案を参考にしながら、「運用報告書の利用価値を高めるために」というスライドショーを作ってみました。当メールに添付いたしましたので、ご覧いただけると幸いです。
2. 金融審・投信法WGの後半戦が始まる
金融審・投信法WGが再開されます。
後半戦では、分散投資の義務づけやデリバティブの利用の制限といった商品規制の導入の是非が主要な論点となると思われます。
開催日程は下記の通りで、合計5回開催される予定です。
詳しくは金融庁のホームページをご確認ください。
第9回 9月26日(水) 午後2時〜4時
第10回 10月12日(金) 午後1時半〜3時半
第11回 10月26日(金) 午後1時半〜3時半
第12回 11月 9日(金) 午後1時半〜3時半
第13回 11月30日(金) 午後1時半〜3時半
3. 編集後記
9月上旬に、バンガード・インベストメンツ・ジャパン社のご好意により、米国フィラデルフィアの郊外にあるバンガード社を訪問するツアーに参加することができました。誤解があるといけないので、敢えて書きますが、旅費・宿泊費は自腹です。
バンガード社は、「20世紀の投資業界の4人の巨人」の一人と言われるジョン・C・ボーグル氏が、1975年に設立した投信会社です。
当会の石川由美子が翻訳した『マネーと常識〜投資信託で勝ち残る道』は、ボーグルが一般人の投資のために書かれた名著です。
また、2008年に出た“Enough”は、ボーグルが、投資家から利益をかすめ取る金融業界のあり方を痛烈に批判し、資産運用業のあるべき姿について述べた本です。
『波瀾の時代の幸福論〜マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る』というタイトルで日本では出版されていますが、”Enough=足るを知る”という原題の方が本の内容に沿っていると思います。軽く読める本ですので、こちららも一読をおすすめします。
ボーグルやバンガード社は初耳という方は、こちらをご覧ください。
https://www.vanguardjapan.co.jp/content/perspective/story/story_home.shtml
噂に聞くバンガード社を実際に訪問してみて、
「投資家(顧客)の利益のために」という言葉を掲げている資産運用会社はたくさんありますが、
バンガード社では、「顧客の利益のため」の具体的な実践や工夫が随所で行われているとの印象を受けました。
かつて商品企画を担当していた者として、自戒もこめて、バンガード社で聞いた次の3つの言葉を紹介したいと思います。
「75年にインデックス・ファンドを立ち上げてから5年間は、資金が集まらず苦労した。しかし、5年経って実績が出てきたら、まずジャーナリストが正当な評価をしてくれるようになり、口コミでファンドの評判が伝わり、資金が集まるようになった。」
「20年後、30年後にも必要とされていると確信できるファンドでなければ、バンガード社ではファンドの新設は許されない。どんなに市場で人気があっても、どんなに強く要請されても、その原則は崩せない。」
「お客様のお金で実験をしてはならない、というのがボーグル会長の口癖だ。」
(報告者:永沢裕美子)
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