『フォスター・フォーラムだより』第23号をお届けします(12/16)

執筆者 | 12月 15, 2014 | メールマガジン, 未分類

今回は、業界ウォッチとして、生命保険協会が公表した「高齢者向け生命保険サービスに関するガイドライン」について報告しています。

来年は、保険に関する学習会を複数回開催することを企画しています。

第一回は来年1月31日(土)午後4時から、“ミスター生保”とも称され「生命保険はだれのものか〜消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと」等の著書もある出口治明氏(ライフネット生命代表取締役会長兼CEO)を講師にお招きし、「生命保険の役割、これまでとこれから」をテーマにお話いただき、意見交換等も行う予定です。会場は渋谷駅から徒歩3分の全国婦人会館です。

学習会の詳細と参加お申し込みはこちらから☞http://kokucheese.com/event/index/235780/

お申し込みは先着順です。定員(50名)がありますので、早目にお申し込みください。

 

フォスター・フォーラムは今月4日に10歳の誕生日を迎えました。

ここまで継続できたのも、皆様の応援、ご協力のお陰です。ありがとうございます。

引き続き頑張ってまいりますので、応援、ご協力をお願いいたします。

来年もよろしくお願いいたします。

 

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『フォスター・フォーラムだより』 No.23       2014年  12月16日

発行:不定期

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★―★ CONTENTS ★―★

1. 生命保険協会が「高齢者向け生命保険サービスに関するガイドライン」を公表

2. 編集後記

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  • 生命保険協会が「高齢者向け生命保険サービスに関するガイドライン」を公表

 

生命保険協会が11月21日、業界として「高齢者向け生命保険サービスに関するガイドライン」を策定した、と発表しました。

同ガイドラインは、生保協会のHPのこちらのページからお読みいただけます。☞http://www.seiho.or.jp/info/news/2014/1121-3.html

 

このガイドラインは、今年2月に金融庁が「保険会社向けの総合的な監督指針」を改正し、高齢者への対応についても検査の際の留意点とすること等が示されたことが直接的な動機となって策定されたものですが、

2007年に国民生活センタ―が「高齢者に急増! 生命保険の販売トラブル」と題する報告を行ない、生命保険業界に改善を申し入れたことが始まりだったと言えます。

国民生活センタ―の報告はこちらからお読みいただけます。☞http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20070906_3.html

 

国民生活センタ―が2007年に生保業界に出した要望は次の4つでした。

(1)営業職員等は適合性原則を遵守し、説明責任を果たすこと

(2)高齢者への販売勧誘ルールを設け、遵守すること

(3)契約内容が高齢者に適合したものなのか、実質的に審査機能を果たすこと

(4)営業職員等の教育に、より一層取り組むこと

 

これら要望に関連した生保業界の取組みを見てみると、今回のガイドラインでは、社内規則等に高齢者の定義を規定するとともに、加入時の対応として、会員各社に「親族の同席」、「複数の募集人による保険募集」、「複数回の保険募集機会の設定」、「高齢者の意向に沿った商品内容等であることの確認」の取組みを行うことを勧奨しています。

 

高齢になると、小さな文字が読めない、聞いても分からないといった衰えにより、契約内容が把握できなくなり、面倒になり「もういいから、それにして」と言ってしまいがちになります。

こうした場面で生じがちな将来のトラブルの種を早目に摘み取ろうという取組みであり、一定の効果は上がるとは思いますが、適合性の原則に合致した商品の販売勧誘には直接つながらないように思います。

過去のトラブル事例を参考にして、営業社員が奨めている商品が顧客にとって果たして合理的なものかどうか、国民生活センタ―の要望の(3)に該当する取組みも積極的に行っていただきたいと思います。

 

なお、今回のガイドラインでは、加入後の対応や支払い手続き時の対応について、踏み込んだ提言を生保各社にしており、この点は評価できると思います。

例えば、定期的に契約者に送付されるお知らせ等にて、保険に加入している事実や契約内容・支払い手続き内容等を確認する機会を設けることや、複数の住所登録(子供の住所等だと思われますが)等を行うようにすること等を推奨しています。

そもそも保険は加入してしまうと、どんな保険に入っていたか忘れてしまう人が多い上、年をとると入っていることを忘れてしまうこともありえます。病院や施設への入居等により転居先が分からなくなるといったことも想定されます。

このような手続き不能状態を想定して、こうした事態を未然に防止するための取組みを生保各社に勧奨していることは、生保業界への信頼の回復に繋がると評価できると思います。

 

2.編集後記

◆生保協会のHPを見ていたら、今年3月に、高齢者向け情報冊子『今だから聞きたい!生命保険 便利帳』が発行されていることを知りました。見てみると、高齢者でなくても、契約者なら目を通しておきたい内容です。その他、『生命保険会社のディスクロージャー〜虎の巻(2014年度版)』も勉強になります。内容は、生保協会のHPのこちらのページで見ることができます。☞http://www.seiho.or.jp/data/publication/

一人一冊なら無償で送付してもらえるとのこと。申込みはこちらから ☞http://www.seiho.or.jp/data/publication/application/

◆10年前の秋に、女5人が集まり、会の名称をどうするかから始まり、会の活動について一から話し合い、気づくと暗くなっていたことが昨日のことのように思い出されます。思い起こせば、その年の9月に金融審議会で、金融商品に関する横断的な規制を内容とする投資サービス法(現在の金融商品取引法)の制定に向けた審議が始まっていました。当時、「貯蓄から投資へ」という言葉が小泉政権下で盛んに言われるようになっていました。銀行での投信窓口販売も本格化し、平成電電が新聞等で大規模な広告を打っていました。そうした状況の中で、被害者ではなく、金融商品の普通の利用者として意見を出していくことが必要なのではないか、という思いで集まり立ち上げたのがフォスター・フォーラムでした。いろいろなバックグランドや世代の人にも関心を持って頂き、「そうだよね」とか「それは違うんじゃない」という声を頂戴しながら、次の5年を目標に頑張っていきたいと思っています。来年は生命保険について勉強して提言を出せるようになりたいです。

(担当者:永沢裕美子)

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