設立趣旨(2004年12月)

私たちがめざすもの(設立趣旨)

「フリー・フェア・グローバル」を合言葉に1996年に始まった日本版金融ビッグバンによって、新たな金融商品やサービスが続々と登場しています。そして、それらの選択・利用にあたっては、自己責任が強調されることが多くなりました。しかしながら、多様化、複雑化した金融商品やサービスを、個人が安心して活用できるような環境整備は著しく遅れているといわざるをえません。

金融商品は目にみえず、手にとれない商品であり、試着や試飲、試乗できるような商品と異なり、個人は目論見書、約款、パンフレットなどの商品カタログに書かれていることを信じて購入するしかない状況にあります。それだけに、利用する側にとっては、商品を企画、組成、販売、運用する側のフィデュシャリー・デューティー(提供者として顧客からの信認に応える責務)が適切に果たされていることが大前提となります。現在、受託者責任のチェックは行政の監督や金融業界の自主規制にゆだねられています。私たちは、利用者側が金融消費者意識に基づいて行動することで、より厳格に受託者責任が果たされ、より良質な金融商品・サービスが育つと考えます。こうした認識を共有している者が集まり、調査・研究活動を行い、具体的な行動につなげていくための場として誕生したのがフォスター・フォーラムです。

現在、私たちがもっとも関心を持っているのは、投資信託や変額保険など「集団投資スキーム」を利用した投資商品です。政策的にも個人の資産運用の中核を担う商品と位置付けられている一方で、商品は複雑化して、利用する側にとって身近な存在になっていません。しかも、組成者、販売者、運用者などの専業化が進んでおり、さまざまな事業者が関与していることで、金融消費者にとっては責任の所在が分かりにくくなっています。私たちは、資産運用の中核を担うにふさわしい商品設計や運用サービスなどが提供されているかどうか、資産運用に携わるプロとして最善が尽くされているかどうかなどを注視し、様々な提言をしてゆきたいと考えています。

私たちにできることは限られているかもしれませんが、私たちの行動が事業者と金融消費者の信頼関係づくりに役立つことを願っています。

 

★私たちが考える良質な金融商品とは

私たちが金融商品やサービスに求めているのは、何よりも「納得できること」「信頼できること」です。次の視点から、金融商品の品質を判断いたします。

  1. 商品の仕組みが理解しやすいこと(専門的知識がなくても理解できる)。
  2. コスト(手数料等)が明確で適正な水準であり、それが明確に表示されていること。
  3. 商品・サービスの提供者としての責任(フィデュシャリー・デューティー)がまっとうされていること。
  4. 適合性の原則に基づいて商品が組成・提供されていること。

以 上