今回は、二つの記事を紹介しています。
一つは、クラウドファンディングに関するフォローアップ情報です。
日本弁護士会や消費者委員会が意見書を金融庁等に提出しました。
こうした動きについて紹介しています。
二つ目は、当会メンバー坂本綾子のインタビューシリーズ第二弾です。
今回は、日本証券業協会の常務執行役の平田公一氏に、同協会の成り立ちや自主規制機関としての役割等ついて聞いています。
以下は、フォスター・フォーラムからのお知らせです。
3月5日夜に、クラウドファンディング等に関する勉強会を開催します。
日弁連の意見書を担当された坂先生に問題点等についてお聞きした後、意見交換を行う予定です。
内輪の勉強会ですが、お席に若干の余裕がありますので、参加を希望される方は、永沢宛(yumiko.nagasawa59@gmail.com)宛に「クラウドファンディング勉強会参加希望」とご記入いただき、お申し込みください。
詳細は追ってお知らせします。
お席に限りがありますので、先着順とさせていただきます。
直前のご案内となり恐縮ですが、今後ともこうした学習会を開催していきます。
次回以降のご参加をお待ちしております。
当会では、メルマガ会員に加えて、当会の活動をサポートしてくださる「一般会員」を募集しています。
嬉しいことに、1月以降8名の方のお申し込みがあり、学習会の企画等の話も具体化し始めています。
当会の活動理念や趣旨にご賛同いただき、意見書・提言書の提出や学習会の開催等に主体的に関わりたいとお考えの方の応募やお問い合わせをお待ちしております。
詳しくは、当会ホームページ(https://fosterforum.jp/)の「当会について」の中の「一般会員募集」をご覧いただき、「お問い合わせフォーム」からお申し込みください。
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『フォスター・フォーラムだより』 No.16 2014年3月3日
発行:不定期
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★―★ CONTENTS ★―★
1. クラウドファンディングについて 〜その後の動き
2. インタビュー企画 〜 消費者も知っておきたい『自主規制機関』の存在と役割(その1)〜 日本証券業協会 常務執行役 平田公一氏
3. 編集後記
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1. クラウドファンディングについて 〜 その後の動き
前号でもお知らせしたように、インターネット上で一般の個人(消費者)からベンチャー企業等がお金を集める「投資型クラウドファンディング」のための金商法の改正案が本通常国会に提出され、来年春には施行される見通しです。
こうした動きを受けて、「投資型クラウドファンディング」に関する報道が増えてきました。
例えば、2月26日の日経新聞朝刊では「未上場株ネット投資解禁」という見出しをつけた記事が大きく掲載されています。(添付ファイルまたは下記URLをご参照ください。)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2500Q_V20C14A2EE8000/
制度の概要がよく見えてこないだけに、イメージや期待が先行しすぎているようで、心配になります。
金融審議会のリスクマネーWGが取りまとめた報告書では「非上場株式」と記載されていたのに、新聞記事では「未上場株」となっている点が気になります。
「非上場株式」と「未上場株」に大きな違いはないと言ってしまえばそれまでですが、一般の個人は「未上場株」の「未」に、将来は上場して大もうけという期待を抱いてしまうものではないでしょうか。
こうした中、2月21日に日本弁護士会連合会が、2月25日に内閣府の消費者委員会が金融庁に意見書を提出しています。
[日弁連]
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2014/140220_3.html
[消費者委員会]
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2014/0225_iken1.html
どちらの意見書も、慎重な審議と投資家保護のための具体的な手当てを法律で定めることを求めています。
具体的には、虚偽の情報で投資を募った事業者や仲介者に損害賠償責任を負わせることや、電話や訪問による勧誘を禁止すること等を提言しています。
金商法の改正に当たって、金融庁によるパブリックコメントの募集は行われず、自主規制機関が自主規制ルールを定める段階で意見募集が行われるとのこと。
しかし、ごく普通の人を“際物(きわもの)”への投資に誘うわけですから、制度の趣旨と具体的な内容、リスクについて、国民によく説明し、意見も丁寧に聞き、必要なら見直しもする慎重さを政府にはお願いしたいものです。
当会としては、クラウドファンディングは一般の消費者の生活に少なからず影響があると考えており、引き続き学習会等を開催し、情報提供に努め、“市民の声”を集めていきたいと思っています。
2.インタビュー企画 〜 消費者も知っておきたい『自主規制機関』の存在と役割(その1)〜 日本証券業協会 常務執行役 平田公一氏
消費者が金融商品やサービスを利用する際に不利にならないようにするためには、法令でいろいろと事業者を縛る方法もありますが、最近は、事業者によって組織された「自主規制機関」が自分たちでルールを作り、消費者保護を図るという方法がとられることが増えています。
前述の「クラウドファンディング」においても、金商法で規制の大枠を定め、細かなことは自主規制機関である日本証券業協会や第二種金融商品取引業協会の定める自主規制ルールに委ねることが予定されています。
そこで、今回は、自主規制機関の一つである日本証券業協会の常務執行役の平田公一氏を当会事務局次長の坂本綾子が訪問し、その成り立ちと自主規制機関としての役割を聞いてきました。
未公開株詐欺撲滅のために、同協会が中心となって地道な取組みをされていることや、高齢者の投資トラブルを防ぐために、会員である証券会社に対して自主規制ルールや研修等を実施されていることを知ることができました。
また、最近では、証券取引に関して、アンフェアな取引をする個人も増えており、消費者がいつも被害者とは限らないということも見えてきました。
クラウドファンディングに関連して、自主規制機関に期待されていることは大きいことは認めつつも、「法令で決めることは決め、それでも不足する投資者保護や公正性を確保するための運用を自主規制ルールとして定め、業界でそれを遵守する、それが自主規制であると考えています」というお話は、実際に自主規制ルールづくりにご苦労されているご担当者だからこその重みを感じました。
インタビュー記事の全文は、ホームページ(https://fosterforum.jp/)の「新着情報」からお読みいただけます。
3. 編集後記
1月29日に、坂本のインタビュー記事でも紹介されている「未公開株式の投資勧誘による被害防止対応連絡協議会」(第17回)に、オブザーバーとして出席してきました。
この協議会は、未公開株詐欺が社会問題化した2009年秋に日本証券業協会の自主規制会議の下部組織として設置された、毎回、金融庁や証券取引等監視委員会、警察庁、消費者庁、国民生活センタ―、弁護士会等の担当者が集まり、被害の状況やそれぞれの取組みについて報告しあっています。
振り込め詐欺に比べるとまだまだですが、未公開株詐欺について知っているという人が徐々に増えてきているとの報告がありました。
全国の街頭で未公開株詐欺撲滅キャンペーンを展開しているのですが、その取組みを地元のテレビや新聞が取り上げてくれたことが、功を奏しているようです。
私が気になったのは、都道府県別の被害相談件数の数字でした。
人口の多い都会の数字が大きいのは当然ですが、意外にも、私の出身県である山口県が、人口に比べて多いのに驚きました。
そんなに裕福な地域ではないのに不思議に思いましたが、犯罪者はグループで動いており、1件の被害が報告されたら周辺には相当数の未報告の被害が発生しているとのこと。
この種の電話や訪問を受けたら、直ちに最寄りの消費生活センタ―や警察に通報するように呼びかけ、地域で警戒体制を強化するという取組みが大切と思いました。
また、窃盗に比べると捕まるリスクが小さく、大きなお金が得られる“ローリスク・ハイリターン”犯罪であるため、この種の犯罪への“参入”が増えているとのこと。
特に若者の参入が増えているそうです。
高齢者を被害にあわさせないことも大事ですが、若者に、こうした金融犯罪に決して手を染めることのないよう教えることが、金融経済教育の中で必要だと思いました。
(事務局長:永沢裕美子)
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