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『フォスター・フォーラムだより』第34号をお届けします。

今回は、6月17日に金融広報中央委員会が公表した、わが国初の大規模「金融リテラシー調査」「について紹介しています。

今回も最後までお読みいただけると幸いです。

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『フォスター・フォーラムだより』 No.34      2016年 7月4日

                          発行:不定期

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★―★ CONTENTS ★―★

1. わが国初の大規模な「金融リテラシー調査」の結果について

2. 消費者のための「おとなの金融力ドリル」のご案内(続編)

3. 編集後記

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1.わが国初の大規模な「金融リテラシー調査」の結果について

金融広報中央委員会(知るぽると)が6月17日に「金融リテラシー調査」を公表しました。

この調査は、今年2月末から3月にかけて、全国の18歳から79歳までの個人25,000人を対象に、インターネットを使って行ったアンケート調査であり、わが国初の大規模調査です。

アンケートの問題の総数は53問ですが、そのうちの26問は「金融知識・判断力」に関する正誤問題、残りの27問は「行動特性・考え方等」を尋ねる問題となっています。

設問の内容は金融庁が3年前に公表した「最低限身につけるべき金融リテラシー」(4分野15項目)を踏まえた内容となっています。「最低限身につけるべき金融リテラシー」の具体的な内容については、国民生活センターのウエブマガジン「国民生活」5月号で紹介していますので、ご覧になってください。

☞ http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201605_02.pdf

気になる調査結果ですが、その一部を紹介すると・・・

  • 「金融知識・判断力」に関する正誤問題(26問)の正答率は6%。

  • 年齢別の正答率を見ると、18〜29歳の層が最も低く(9%)、年齢とともに上昇し60代が最も高く(63.3%)、70歳以上でやや低下(61.4%)。

  • 分野別にみると、「金融・経済の基礎」に該当する問題の正答率が低かった。

  • 正答率が5割を切った設問を、正答率が低い順に見ていると、

債券価格と金利の関係(24.0%)

借り入れをした場合の複利効果についての理解(40.6%)

預金保険制度の理解(42.3%)

預金口座に預けた場合の複利効果についての理解(42.9%)

金利が変化した際の判断(43.9%)

資産形成における分散(45.8%)

保険の基本的な働きについての理解(46.7%)

適切な収支管理及びクレジットカードの利用(46.7%)

人生の3大費用についての理解(47.6%)

なお、最後の人生の3大費用の設問の正解は「子供の教育費用、住宅購入費用、老後の生活費」ということですが、生き方が多様化している今日において、これを正解としていいのか、個人的には疑問に思いました。

この調査では、調査サンプルの性別、年齢、居住地、職業、年収等のほか、金融教育を受けた経験の有無についても調査を行っており、金融知識などの分野別・階層別分析や、金融教育の効果、行動経済学的な分析、都道府県別分析など、多角的な分析を行っています。

この調査に関心を持っていただくために、敢えて正誤問題26問の都道府県別の正答率ランキングを紹介しましょう。

上位3県は上から奈良県、香川県、京都府で、下位3県は下から山梨県、沖縄県、山形県の順でした。

47都道府県の各県の特徴についても、全国平均と比較しながら分析してあります。

こうしたデータは、金融教育をやりたいが何から手をつけたらいいか分からないという方には、一つの道標になるのではないでしょうか。

本調査の設問や調査結果の詳細をお知りになりたい方は、金融広報中央委員会のホームページのこちらからご覧になってみてください。http://www.shiruporuto.jp/finance/chosa/literacy2016/pdf/16literacy.pdf

(報告者:永沢裕美子)

2. 消費者のための「おとなの金融力ドリル」のご案内(続編)

前号で、消費者の金融リテラシー向上のための学習支援ツール「おとなの金融力ドリル」を作成したことをご報告させていただきましたが、早速、多くの方々がドリルにチャレンジしてくださいました。ありがとうございます。

回答くださった方々の正答率の高さに驚きました。

実は、一般会員の方のご協力をいただき、このドリルを某大学の学生117名に解いてもらったのですが、結果は、設問20問に対して平均正答数は9.02問で、正答率は45%だったとのこと。

この数字は、上で紹介した「金融リテラシー調査」の18歳〜29歳の層の正答率に近く、私たちのドリルの設問がそう外れたものではないと安堵するとともに、金融商品に触れる機会と金融に関する知識や判断力=“金融力”との間に高い相関関係があることを改めて実感しました。

なお、このドリルの目的は、金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」とは異なり、消費者が金融商品の基本を知り、金融機関や金融商品を利用する際に必要と思われる’金融力’を身につけることであることを、改めてお知らせしておきたいと思います。

何点かに関心が行きがちですが、満点になるまで繰り返し解いていただくことを想定しており、解説編の作成には特に力を入れています。

ご自身の学習だけでなく、プリントアウトして学習会などでもご活用いただければ幸いです。

もちろん、無料でご利用いただけます。受講された方々の反応などのお声をお寄せいただければ、次のドリル開発などに役立たせていただきます。

*ドリルはこちらから↓http://fosterforum.jp/life-and-financial-product/literacy-drill-2016/

解答を入力・送信すると、自動メールで正解と解説をお知らせする仕組みとなっております。

(報告者:永沢裕美子)

3.編集後記

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